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鏡 筒 バ ラ ン ス を 考 え る
ETX&デジカメ
おぼろげに鏡筒バランスは整えなければならない…。漠然とそう思ってきました。しかし,実際にどの程度の重量負荷が許されるのでしょうか?

 ETXのボディを開けて内部構造を見てみると,小さなモーターが鏡筒を動かしていることに驚きます(リンク先はWeasnerさんのページ)。もちろん設計上ギアによる効率を考慮して選定されているわけですが,必要以上の負荷はモーターが焼けてしまっても不思議ではない。そう思わせてくれるのです…。

 ETXシリーズとデジカメを組み合わせて惑星などを撮影したい場合,いちばんの問題となるのは追尾精度です。いかに長時間高倍率で視界内に止まらせるか。
 この精度を大きく左右させるものの1つが,鏡筒バランスを整えることでモーターの動きを阻害させないよう安定した動きを確保することです。ここでは,バネ式手秤を使って鏡筒バランスをいろいろな観点から調べてみました。

アクセサリの許容重量は500g 程度 (注:ETX-90ECでの実測値)
通 常 観 望 時
 左上の写真は通常の何も負荷になっていない状態で,鏡筒が水平になるまで持ち上げてみた時の重量です(アイピースは付属されているプローセル25mm)。
 赤緯ロックを緩めると鏡筒はガクっと下がるため,ETXの設計上,接眼側にはある程度の重量がかかっても大丈夫なよう配慮されていることが想像できます(まぁ当たり前か)。
  このことから,100g程度のアンバランスさは設計上何ら問題のない重量だと思ってもよいでしょう。

 次に左写真下は,接眼側に重量を掛けて鏡筒が水平になった時点で量った重量です。
  アイピースを付けていない状態で量っているので,上写真での状況も踏まえた上で考えてみると,接眼側に取り付けるアクセサリの総重量は500g(アイピースを100gとして)程度までであれば,何ら問題なく使用できることが分かります。


接眼側の許容重量は?

 

 

 次に量ってみたのは,純正フードを取り付けた場合のバランス状態です。これが意外とアンバランスであることが分かります。
 純正だから安心だ…,などと考えるのは安易かもしれません。事実,観望時にこのフードを取り付けていると,モーターが無負荷時と比べ唸っていることが分かります。

 それでは,肝心なデジカメ使用時のバランスについて見ていきましょう。

 左下の写真は,代表的なデジカメアダプタ「SD-1」(ボーグ)と,「DG-LV」(ビクセン)の重量です。その差は約2倍。見た目通りの差が数値からも分かります。
 私はしばらくSD-1との組み合わせで使ってきたのですが,NexStar MLでQV-3500EX(QV-4000)用の58mmリングの存在を教えていただいて(現在はもう、品切れかもしれません),DG-LVを購入することにしました。

 少しでも負荷を減らしたいがために…。




純正フードを使うには接眼側に負荷が必要

写真左SD-1」(ボーグ)
写真右DG-LV」(ビクセン)

  SD-1の場合は純正フードとの釣り合いが取れるかも…。しかし,これにデジカメの加重がプラスされることも忘れてはならないのでした…(汗

 重量バランスさえ整えておけばいい…。そう考えるのも危険です。こんな現象も経験しているので,ETXの構造そのものに負荷には弱い点があることが分かっています。
 ただし,2002年2月現在ETX-105ECと125ECは,私が経験した破損部分がダイキャスト素材に変更されているため,このようなことは無いはずです。デジカメとの組み合わせを考えている人は,この点も十分に考えてみた方がよいでしょう。

加重対処をしなければモーター寿命が激減する(はず)

 右写真は,ETXに取り付けている際のSD-1とDG-LVどれぞれの組み合わせの重量です(ここでの例は,25mmプローセルアイピースも込みの状態)。


 ただし,この重量が単純に負荷となっているわけではないことがETXを動かしてみると分かります。負荷となる加重は,鏡筒が天頂付近を向くほど多くなり,水平になるほど少なくなります。

 その加重は右下写真に記載したように,最大で950gもの重量に達します(もちろん,SD-1とQV-3500EXの例)。ちなみにQV-3500EXの重量は,350g程度です。
 単純に考えても,これに見合うオモリを鏡筒セル側に付けておかなければならないわけです(私の場合,1kgのアームレストを巻いています)

 写真を見ての通り,ここでの例は経緯台モードで動作させた際の赤緯モーターにかかる負荷加重です。
 後日,DG-LVでの状況も含め赤道儀モード時ではどのような重量変化があるのかも調べてみたいと思います。


写真左「SD-1+25mmプローセル+QV-3500EX」
写真右「DG-LV+25mmプローセル+QV-3500EX」


オドロキの1kg級の負荷が…。こんな重量を長時間かけていると,間違いなくモーターが焼けてしまうはず
 

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- クエーサー : 日本語では準星(じゅんせい)と呼ぶ準恒星状天体。一見すると恒星のように見えるが、大きさとは不釣り合いな質量を持つもの。ブラックホールではないか、という説もある。
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