ETXは、その「手軽な観望」というテーマを持つことから硬性の面では難しいものがあります。その影響は、高倍率で惑星を眺めている場合には切実な問題です。 この問題に対する米ミードの回答は、ETX-105ECの登場と共に採用されたアルミダイキャストマウントでしょう。セレストロンのNexStarと比較し、最も欠けていたのが硬性だからです。現在では、ETX-70AT/90EC以外のETX-105EC/125ECで採り入れられています(2002年11月現在)。 ここでは、具体的にアルミダイキャストがどのような構造になっているのかを紹介します。まず最初は、手軽に判断ができる面からです。次のようにつまみを外すと、従来型との違いは明らかです。
さらにバラしてみます(ここで紹介する行為はすべて自己責任で行っているものであり、助長する目的ではありません。破損すると有償修理になるはずです)。次の写真は、可能な限りバラした状態のものです。左側のETX-90ECでは、マウント部のアームが比較的広げやすいので容易に鏡筒が外しやすいです。 しかし、右側ETX-105ECの方はマウント部がアルミ構造でガッシリと固められているため、鏡筒を取り出すのはかなり苦労します。そのため、ここでは外していません(汗。ここで分かるのは、モーター部のギア構造には特に変更はないものの、周りは完全にダイキャストで固められており、従来型で問題だったプラスチックの鳴りとたわみがほぼ完全に排除されているということです。 ここまで読んでいただければ、手放しにアルミダイキャストの方がイイではないかと思われます。当然視界のブレが最小な点、プラスチックの鳴りが押さえられている点を考えればその通りです。しかし、ダイキャスト構造であることから、重量が増しているという点は頭に入れておかなければなりません。参考までに本体重量は、90ECが約4kgであるのに対し、105ECが約7kgです。この3kgの差…、人にはよるものの意外と壁なのかもしれません。 強度を最優先すれば、某ブランドの赤道儀のように30kg近い重量の手で押してもびくともしない物の方が優れているのが明らかです。要は、手軽さとの駆け引きと考えるべきだと思います。私以外にも105ECユーザーの方がさまざまな観点から紹介されています。次に挙げるリンク先も参考にしてみてください。
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