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最終更新日:02/21/2000  
自動導入が始まる基点
ホームポジションにこだわろう
基点にこだわると以降の精度が高まる傾向にあります

 自動導入の精度がおかしい? そう思ったら,ホームポジションの精度追求から始めればよいと思います。
 ここでは,おもに購入検討されている方に対し,どのようなものかが伝わればいいなと思い,まとめてみました。

 2つの動作モードは観望目的で切り替えるべき?

 ETX-ECには,2つの動作モードがあります。
 北極星に合わせて

極軸を中心に星を追尾する「赤道儀モード」

上下左右のモーターが動いて追尾をする「経緯台モード」

 です。それぞれには次のような特徴があります

 動 作 モ ー ド そ れ ぞ れ の 特 徴 は ?
 
メ リ ッ ト
デ メ リ ッ ト
経緯台モード セットアップがお手軽です。ETX-ECシリーズのコンセプトは,何といっても手軽に観られること。そのため,ほぼ北に合わせるだけでよいこのモードは,最もお手軽で標準的な使い方といえます 写真撮影などをする場合,赤緯,赤経の上下左右モーターが常に動きます。このため,モーターの精度が比較的よくないETX-ECでは,特に星がぎこちない動きをしてしまうのです
赤道儀モード 星を追尾する際に赤経モーターだけが動きます。このため,ETX-ECでは経緯台モードに比べ,顕著に追尾精度が向上します。高倍率で惑星などを観ていると,実感できます。北極星を目安に極軸をしっかりと合わせると,完璧に星を追尾できるので気持ちがよいです。 経緯台モードに比べて,セットアップが面倒です。各地の緯度に合わせてから北極星を導入する必要があるし,当然ながら北極星が見える場所でないと無理です。
モーターが小型であるETX特有の問題ですが,赤緯36度前後の日本では,水平線近い星を追尾する際,鏡筒バランスが崩れていると,かなりモーターに負荷が掛かってしまいます

■ 経緯台は2つのモーター,赤道儀は1つのモーターが動いて星を「追尾」します



細かい点ですが,赤道儀モードのほうがバッテリ寿命が延びます。経緯台モードは,常に2つのモーターが動いて消費が激しいからです


 経緯台モードのセットアップ

 経緯台モードは,上の写真のようにどこにでも気軽に置いて星が見られるのが魅力です。ただし,写真1-3のように水平度を追求するのは最低限のポイントと思います。この点さえ押さえておけば,かなり高い精度で自動導入が働いてくれます

写真1-1■AltAz Align表示にしておく
オートスターで「Setup」-「Telescope」-「Mount」で「AltAz」モードにしておきます。写真のように表示されていたら経緯台モードのセットアップモードになっています
写真1-2■水平にする
写真ではフィールド三脚に付けていますが,三脚が無い状態でも同じです。本体の底面が水平な状態にします
写真1-3■水準器を使うとグッド
水平度を厳密に合わすのは大切なことです。フィールド三脚であれば,あらかじめ水準器が付いているのですが,使っていない場合は,このような水準器を本体に取り付けることをおすすめします
写真1-4■目視でも確認しておく
ここまでで,こんな感じになっているはずです
写真1-5■鏡筒を寝かせて水平に
次に写真のように,鏡筒を地面と水平にします。
私は購入当時迷ってしまったのですが,赤緯目盛り板はロックをはずせば自由に動くものだと,なかなか気付きませんでした(汗)。
このため,いちばん最初は,自分で水平度を見極めて(水準器を鏡筒の上に乗せて合わせると完璧),写真のように夜光シールを付けておきました。これなら,暗がりでも一発で合わせられるので便利です
写真1-6■時計反対&時計回りに手動回転
赤経モーターのロックをはずして,時計の反対回りで止まるまで回します。赤道儀モードでも同じです。写真2-3参照)。
次に,時計回りに回して,写真のように「COMPUTER CONTROL」パネルと赤緯目盛りが合う位置で止めて,赤経モーターのロックをします
写真1-7■真北に向ける
最後に真北に向ければ終わりです。この状態で,写真1-1の状態のオートスターのEnterキーを押せば,基準星の導入に移ります

 赤道儀モードのセットアップ

 追尾性能を追求すると,赤道儀モードになります。しかし,フィールド三脚などで各地の赤緯に傾ける必要があるので多少手間が掛かります。私は,デジカメで撮影することが多いので,ほとんど赤道儀モードで動かしています。

写真2-1■Polar Align表示にしておく
オートスターで,あらかじめ「Setup」-「Telescope」-「Mount」で「Polaris」モードにしてあることが前提です
本体の電源をオンにして,Alignでセットアップする際に,写真のように表示されていたら赤道儀モードのセットアップになっています。また「One Star」によるセットアップが理想です
写真2-2■フォークと水平になるように
経緯台と違い,赤道儀モードは写真2-5のように鏡筒をフォームマウントに90度になるよう起こします。ここでも夜光シールを貼って暗がりでも素早く合わせられるようにしました
写真2-3■時計反対回りにまわす
赤経モーターのロックを外して,時計の反対周りに止まるまで回します。写真のような位置で止まるはずです。この作業は,経緯台モードでも同じです
写真2-4■時計回りにまわす
次に時計回りに回して,COMPUTER CONTROLパネルの赤緯目盛りが合わさる位置で止めてロックします。この作業は経緯台モードといっしょです
写真2-5■各地の緯度に傾ける


各地の赤緯に合わせマウントを傾けます。この緯度の傾き=北極星の緯度になります。
緯度を 正確に合わすには,写真2-5のように目安をつけて,ファインダーを覗きながら北極星が見えるようにします
写真2-6■北極星が見えるように微調整

ここまででこのようになっているはずです。ファインダーの視界には,北極星が見えている状態です。
私は,以前まで望遠鏡側でも北極星が見えるようにしていたのですが,これは間違いのようです。
写真2-1のように,オートスターでOne Starアライメントをすると,ホームポジション設定後に赤経モーターが動き出します。この際に,再び北極星を確認するのですが,時々赤緯モーターが微妙に動いてしまうことがあります(オートスターのファームウェア2.0eにアップデートしたら解消しました)。この状態で再び北極星を導入すると精度が狂ってしまうのです。よって,ファインダーのみで合わすのがよいようです
写真2-7■これでOK
これで終了。写真2-1の状態で,オートスターのEnterを押すと次に進みます。この際,赤経モーターが回転して,再度北極星を確認することになりますが,ファインダーの中に見えていれば多少ズレていてもOKとします。北極星(極軸)が中心に見えているままで赤経モーターが回転するのは難しいようです。
経緯台モードでも同じですが,ホームポジションの状態にしてから,本体の電源をオンにしても構わないと思います。この点は,自分の使いやすいように行えばよいだけです

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天文用語辞典
- 光害(ひかりがい) : 水銀灯やビルの明かり、ネオン、スポットライトなど、空に向かっても光が照らされることで、夜空がぼんやりと見える。この光の害を呼ぶ。
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