「世界天文年2009」について、公式サイトを見ても今ひとつ盛り上がり感? が分からない……。そんな疑問から、委員会代表者が集うオープニングセレモニーへ出かけることにした(1/4 18時~、県立ぐんま天文台)。
■企画委員長の渡部潤一氏が概要を説明
講演で世界天文年2009日本委員会の海部宣男 委員長は、「ガリレオが月や惑星などを見たときと同じような感激を多くの人に感じてもらいたい」と趣旨を語り、国際連合、ユネスコ、国際天文学連合が定めた「International Year of Astronomy」(世界天文年)に参加して日本でもさまざまなイベントを行うことを説明した。
しかし、講演者のほとんどがガリレオ・ガリレイの功績を語ることに終始したのも事実……(2009年は、ガリレオが天体望遠鏡で宇宙を覗いてから400年)。「世界天文年2009」で日本が何に取り組むのか? については消化不良だった。具体的なイベントは、サイトを見てねということだろうか?
後半の座談会では、ガリレオ望遠鏡と題した安価な機材の紹介や、兵庫県立西はりま天文台の黒田武彦 公園長からは皆既日食クルーズツアー、県立ぐんま天文台の橋本 修氏からは10周年となる同天文台の功績と目的についてが語られた。
前半のオープニングセレモニーで印象的だったのは、日本プラネタリウム協議会理事長の加藤賢一氏の「日本の天文普及」と題された講演。戦後からの天文史がうまくまとめられていた。
■加藤氏のプレゼンが興味深い!
「戦後は、博覧会や科学館の設立が復興シンボルだった」と加藤氏。世界中を見ても日本はプラネタリウムや公開天文台の多さで抜きん出ており、また、ほとんどの公開天文台が地方自治体所有であることも特徴だという。海外の公開天文台事情について触れ、今後は教育との関わりが欠かせないだろうと言及された。
■小学生だった80年代、博覧会と聞くとワクワクしたことを覚えている
■西はりま天文台から駆けつけてくれたようで(笑
現代では多くの人の興味が宇宙科学から遠のいているものの、今年は7月22日の日食が高まりの最高潮? になることが間違いないだろう。これ以降も、地球環境とエコが年々クローズアップされれば、宇宙との関わりが見直される時代が来るかもしれない(金融危機でNASAがどのような情勢なのかも気になるけれど……)。
「International Year of Astronomy」(世界天文年)の取り組みについて世界を代表するであろうユネスコの会見は、1月15日に予定されているようだ。こちらにも注目したい。